ある日、ポストに届いた一通の封筒。差出人を見ると「健康保険組合」「市役所」などと書かれていて、何かの手続きかと思って開けてみると、中から出てきたのは見慣れない黄色いカード
「一体これは何なのか？」
「今までの健康保険証が使えなくなるということなのか？」
そう感じた方も多いかもしれません。
実はこのカード、資格確認書という名称のもので、2025年12月2日以降にこれまで使っていた健康保険証が使えなくなることに対応するために発行されたものです。
この記事では、この資格確認書の役割や使い方、届いた理由、今後どうすべきかを解説していきます。不安を感じた方も、読み終える頃には自信を持って対応できるはずです。
黄色いカードの正体とは？
このカードの名称は「資格確認書」です。
健康保険の資格を確認するためのカードであり、2025年12月2日以降、これまでの健康保険証が全国一律で原則使用できなくなることを受けて、一部の方に対して発行されています。
資格確認書は、医療機関や薬局で提示することで、健康保険を使って診療や調剤を受けられるための証明となります。
これは一時的な措置であり、将来的にはマイナンバーカードを健康保険証として使う「マイナ保険証」が基本になる予定です。
資格確認書が送られてきたということは、マイナンバーカードと保険証の連携（利用登録）がまだ済んでいないことを意味します。
どういう人に送られてくるのか？
資格確認書が送付されるのは、以下のような条件に該当する方々です。
- マイナンバーカードを持っていない
- 持っているが、健康保険証として利用登録をしていない
- 過去にマイナ保険証の利用登録を解除した
- 電子証明書の有効期限が切れている
いずれも「マイナ保険証の利用ができない状態にある方」に対して発行されます。
届いたからといって何かの手続きミスではなく、制度上の理由に基づいて発送されていますので、まずは落ち着いて中身を確認しましょう。
届いたら、最初にすべきことは？
封筒を開けたら、まず以下の点を確認してください。
- 氏名や生年月日、被保険者番号などの本人情報に誤りがないか
- 有効期限がいつまでか（カードの表面に記載）
- 同封の案内書や返信用封筒、家族分のカードがあるかどうか
記載ミスや内容不備があると、医療機関での受診時にトラブルが発生するおそれがあります。
不明点や誤記を見つけた場合は、できるだけ早く加入している健康保険組合や自治体の窓口に問い合わせてください。
資格確認書の使い方は意外とシンプル
資格確認書は、これまでの健康保険証とほぼ同じように、病院や薬局の窓口で提示して使用します。ただし、いくつか重要な注意点があります。
- コピーでは利用できません。必ず原本を持参してください
- 他人に貸すことや改変はできません
- 携帯を忘れると、医療費を一時的に全額自己負担する可能性があります
- 外出時や通院時に忘れず持っていくようにしましょう
使用方法そのものは単純ですが、取り扱いのルールを守らなければトラブルの元になることもあるため、しっかり確認しておきましょう。
有効期限と更新のタイミング
資格確認書には有効期限があります。原則として5年間の有効期間が設けられていますが、これはすべての方に一律ではありません。
保険の種類や年齢に応じて、有効期限が短くなる場合もあります。
また、転職や転居によって保険の種類が変わると、その時点で資格確認書が無効になる可能性もあります。
有効期限の3か月ほど前から更新手続きを始めるのが安心です。カレンダーやスマートフォンでリマインダー設定をしておくと、うっかり忘れを防ぐことができます。
資格確認書が不要になったらどうする？
マイナンバーカードと健康保険証の利用登録が完了すると、資格確認書は不要になります。
この場合、保険者によってはカードの返却が求められることもあるため、案内文や通知に従って対応することが必要です。
一方、有効期限が切れた場合や、更新しないままマイナ保険証へ移行した場合は、カードをハサミで裁断するなどして自己処分することが標準的な対応とされています。
処分時には個人情報が含まれているため、確実に読めないようにして破棄してください。
返却が必要なケースもあるため、処分前に所属する保険組合の指示を必ず確認しましょう。
家族全員分の管理も忘れずに
資格確認書は個人単位で発行されます。
世帯に複数の被保険者がいる場合、それぞれ別々のカードが届くことがあります。小さなお子さんや高齢のご家族の分も含まれている可能性があるため、家族全員分をまとめて管理しておくことが大切です。
有効期限の管理や持ち出しのタイミングを共有するために、家族で一覧表を作成しておくのも有効です。
また、保険組合のマイページで確認できる場合もあるため、定期的にチェックする習慣をつけておくと安心です。
マイナンバーカードへの移行を前向きに考えてみよう
資格確認書はあくまで移行措置としての一時的な対応です。
今後、健康保険証の機能はマイナンバーカードに一本化される流れになっています。
2025年12月2日以降、従来の健康保険証は使えなくなり、最終的にはマイナ保険証が主流になります。
マイナンバーカードの健康保険証利用登録は、スマートフォンやコンビニ端末でも簡単にできます。
不安がある場合は、市区町村の窓口で相談すれば、サポートを受けながら手続きできます。将来のトラブルを未然に防ぐ意味でも、早めの移行を前向きに検討してみてください。
よくある疑問
Q：資格確認書が届いていません。大丈夫でしょうか？
A：マイナ保険証の登録が済んでいる場合は届きません。登録が未了で届いていない場合は、加入している保険者に確認しましょう。
Q：マイナンバーカードは持っていますが届きました。なぜ？
A：カードを持っていても、保険証としての利用登録が未完了であれば、資格確認書が発行されます。
Q：なくしてしまったらどうすればいい？
A：再発行は可能です。保険組合や市区町村の窓口に連絡してください。日数がかかる場合もあるため、早めの対応をおすすめします。
まとめ
資格確認書は、2025年12月2日以降に現行の健康保険証が使えなくなることに備えた重要なカードです。
突然の送付に戸惑うかもしれませんが、制度変更の一環であり、適切に扱えば医療機関での保険利用は問題なく行えます。
この記事では、その基本的な仕組みから、届いた理由、使い方、有効期限、処分・返却の判断基準までを解説しました。
不安や疑問があれば、迷わず保険組合や市区町村に問い合わせて確認することが、安心と安全につながります。
未来の制度変更に備える一歩として、この記事が少しでもお役に立てば幸いです。
