普段生活していると、履歴書、契約書、婚姻届など各種の書類に、はんこ(印鑑)を押す機会が、意外にあります。
たまにしか使わないのに、結構大事な場面で使うことが多いですね。もし、はんこを押した時にかすれた場合、訂正しないと有効にはならないのか気になります。
今回は、はんこ(印鑑)がかすれた場合、
- どこまでなら許されるのか
- 訂正しないと有効にならないのか
- 無効にする、訂正する方法
- キレイに押すコツ
を調べてみました^^
はんこがかすれた場合の許容範囲はどれぐらい?
はんこが、かすれた場合の許容範囲ですが、多少斜めになった場合や、文字がちゃんと認識できる程度のかすれの場合だと、特に問題ありません。
それに対して、はんこを上下逆に押した場合、押したハンコが滲んで字か認識できない場合、二重に押した場合は、正しくはんこを押せたとはなりません。
もし上手く押せなかった場合は、後ほど紹介する訂正方法で訂正した後に押し直すか、新たな書類を貰って、改めて押す方が良いでしょう^^
ちなみに、「うわっ、はんこ文化面倒くさい、、。今は、デジタル社会になっていてスマホ決済も当たり前なのに、、、はんこ押すことに意味あるのかな?古い気がするけど、、、」という気持ちを抱く方もいらっしゃるでしょう。
確かに、その通りで、はんこは、いつか過去の慣習になる可能性は十分あります。
ですが、土地や建物の売買契約など大金が動く場面や、結婚や離婚など、人生の大事な場面では、はんこを押すことが、今でも当たり前に求められてきます。
なので、貴方自身が、後々不利益を受けないよう、ここは割り切って社会に順応しましようね^^
はんこがかすれた場合は訂正しないと有効にはならない?
では、はんこがかすれた場合、訂正しないと有効にはならず、無効になるのでしょうか?この場合、書類を受け取る相手方の判断に委ねられる部分が大きいです。
まず前提の知識として、少しだけ法律の話しをさせてください。
民法の第97条1項に、意思表示の効力発生に関する条文があります。この条文には「意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる」という文言があります。
つまり、はんこを押さなくても(書面を交わさなくても)意思表示は相手方に示せば意思表示したことになる(有効になる)のです。
ただ、後から「私は言ってない」「貴方は言った」となり、争いが生まれることがあるので、はんこ主義&書面主義、という社会になっているのです。(仕事でお付き合いのある弁護士先生の受け売りです。笑)
その為、はんこがかすれていようが、欠けていようが、書類を受け取る側が問題なしと判断したら、そのはんこの有効性を認めた事になるのです。
例えば、本人確認をした上で、目の前で相手が直筆で書類に署名をした後、押したはんこが欠けたり、滲んだ場合で考えてみましょう。相手方は一連の流れを目の前で見ているので、はんこに欠けや、滲みがあっても、「見ていたので、はんこを押し直さなくても、別に良いですよ~」と、答える方もいるでしょう。
明らかに本人がはんこを押しているので、後から「私は、はんこを押してない!」と言われても、直筆もあるので、いざ争いになっても筆跡鑑定して本人である事を確認できます。つまり、不利になる心配が限りなく低いので、はんこに欠けや滲みがあるのを受け入れた(有効)と言えます。
はんこを無効にしたい・訂正したい場合
ひとつ疑問が浮かんできましたが、はんこを押した後どんな事をすると、はんこを無効にしたり、訂正出来るのでしょうか?
言い換えると、はんこの訂正方法とも言えますね。
「一度ははんこを押して意思表示したけど、やっぱり取り消します。(または訂正します)」
を、客観的に表示することがポイントです。
(はんこの訂正方法)
最初に押したはんこに二重線を引き、二重線を引いたはんこの一部に、重なるよう同じはんこを押します。
こうすることで、「私は一度はんこを押したけど、後からはんこを押したことを取り消しました」を客観的に表示できます。つまり、この作業をしてはじめて、はんこが訂正された(無効になった)と言えます。
はんこをかすれさせずにキレイに押すコツ
はんこがかすれた場合、色々考えないといけなくなるので、1発でキレイに押したいですね。笑
下記のポイントを抑えておけば、そうそう失敗しないので、オススメです。
- 不安定な場所ではんこを押すと力をが伝わらないので、捺印マットを利用して下を安定させる。
⇒下がコンクリートだったり、すると、キレイに押せないので。お気をつけください^^
※なお、捺印マットがない時は、厚みがありつつ、少し柔らかい下敷き・クリアファイル・重ねた紙などを敷くのがオススメです^^
- ズレたりしないよう垂直に押して、グッと力を込める。
⇒中途半端に弱々しく押すと、ズレたり、滲んだりします。適度な力で垂直に押しましょう!
まとめ
はんこがかすれた場合の許容範囲を紹介しました。
はんこがかすれたり、滲んだ場合でも、受け取る相手方が特に問題ないとのことであれば、大丈夫です。
ただ、貴方が気になって押し直したい場合は、最初に押したはんこに二重線を引いて、少しずらした箇所に同じはんこを押すことで訂正が可能です。
何度もはんこを訂正しないよう、はんこを押す時は、捺印マットをなどを利用して、上から垂直にしっかり押すようにしましょう^^