
食洗機を開けた瞬間、底に水がたまっていて「え?これって壊れたの?」とドキッとした経験はありませんか?
特にボッシュの食洗機は静かで性能が高い分、少しの異常にも敏感になりますよね。
でも実は、食洗機に水が残る現象の多くは「故障ではない」んです。
ちょっとした詰まりや使い方のクセ、日常の汚れの積み重ねが原因で、水が流れにくくなることもあります。
この記事では、修理を呼ぶ前に自分でチェックできる7つのポイントを、わかりやすく順番に紹介します。
少し手を動かすだけで、スッキリ排水されることもあります。
まずは庫内を観察。どのくらい水が残っているか確認

最初にやるべきことは、焦らず庫内をよく観察することです。
ボッシュの食洗機は、構造上ほんの少しの水が底に残るよう設計されているモデルもあります。
たとえば、排水フィルターを外した奥に数ミリ程度の水が溜まっているのは、多くのモデルで正常な範囲です。
これはポンプの空運転を防ぐためで、機能上の仕様となっていることがあります。
しかし、皿の底に触れるほどの水たまりが残っている場合は、排水経路の詰まりやポンプ異常の可能性があります。
また、水の正常範囲は機種や使用環境によって異なるため、取扱説明書に記載されている状態を必ず確認することも大切です。
排水口まわりに食べかすやラベルの破片が溜まっていないかをチェックし、異物があれば丁寧に取り除きましょう。
排水フィルターを外して、汚れを徹底的に落とす
次に確認したいのが排水フィルターです。
ここにゴミがたまると、水がスムーズに流れず、庫内に残ってしまう原因になります。
フィルターは反時計回りに回すことで簡単に外せる構造が多く、ぬるま湯とブラシで洗浄すれば十分です。
フィルターの目に見えない油膜や微細な汚れが、実は排水不良の元になっていることも少なくありません。
また、見逃されやすいのがキッチン側の排水配管や排水トラップの詰まりです。
ここが詰まっていると、食洗機本体が正常でも水が逆流して庫内に戻ってくることがあります。
キッチン全体の排水がやや遅い、異音がするなどのサインがあれば、排水配管自体の点検も視野に入れてください。
排水ホースの折れや詰まりをチェック
排水がスムーズにいかないとき、見落とされがちなのが排水ホースの状態です。
家具の裏や隙間に押し込まれている場合、ホースが曲がっていたり潰れていたりすることがあります。
また、排水ホースの出口の高さがシンクより高い場合、水が逆流してしまうケースもあります。
ホースの位置を整えるだけで排水が改善することもあるので、一度目視で状態を確認しましょう。
中で詰まりを感じたら、ホースを外して水を通してみるのも有効です。
ホースが古くなっている場合は、ひび割れや内部のぬめりが排水不良を引き起こすこともあるので、定期的なメンテナンスが欠かせません。
排水ポンプの音と動きを観察してみる
「フィルターもホースも問題ないのに水が出ない」
そんなときは、排水ポンプの動作音や反応に注目してみてください。
排水時に聞こえる「ブーン」という音がない場合、ポンプがうまく作動していない可能性があります。
ただし、ポンプの分解や交換は専門領域に入るため、無理に触るのは避けてください。
ここで注目したいのが、エラーコードの表示です。
例えば、E24(排水不良)、E25(ポンプ詰まり)、E15(水漏れ感知)などのエラーが表示された場合は、取扱説明書や公式サポートページでエラーの意味と初期対応手順を確認してみましょう。
初期化や電源オフで一時的に復旧することもありますが、再発する場合は修理の検討が必要です。
食器の入れ方や洗剤の種類を見直す

意外と見落とされやすいのが食器の詰め込み方や洗剤の使い方です。
特に排水口の上に大きな鍋や皿を置くと、水の流れがふさがれて排水不良を引き起こします。
また、泡の発生による排水エラーにも注意が必要です。
ボッシュの純正食洗機用洗剤を正しく使っていれば、泡が原因で排水に支障が出ることはほとんどありません。
しかし、手洗い用洗剤を誤って使用してしまった場合、大量の泡が発生して排水ポンプにダメージを与える恐れがあります。
この場合、排水エラー(E15など)が表示されてしまうことも。
必ず「食洗機専用洗剤」を使用し、規定量を守ることが基本です。
水の硬度とスケール汚れを確認
地域によっては、水道水に多くのミネラル(カルシウムやマグネシウム)が含まれており、
これが時間とともに「スケール」として内部に付着します。
スケールは目に見えないうちに溜まり、排水経路やポンプの働きを阻害することがあります。
ボッシュの食洗機には、水の硬度設定を細かく調整できるモデルもあり、地域の水質に合った設定をすることで対策が可能です。
また、月に一度程度の頻度でスケール除去剤を使った洗浄を行うと、庫内の清潔さと排水性能の維持に効果があります。
これは臭いや洗浄力の低下を防ぐうえでもおすすめの習慣です。
電源リセットや初期化で制御の不具合をリフレッシュ
すべての目視点検を終えても改善しないときは、制御基板の一時的な誤作動が疑われます。
このような場合は、電源を切って数分置いてから再起動することで、誤動作がリセットされることがあります。
また、多くのボッシュ機種では、特定のボタンを長押しすることで初期化が可能です。
詳細な方法は取扱説明書に記載されているので、機種に応じた手順を確認してみましょう。
リセット後、試運転で水が流れれば問題解決です。
それでも異常が続く場合は、安全のため早めに専門業者に相談することをおすすめします。
小さな原因を見逃さなければ、修理を避けられることもある
水が残っていると、「もうダメかも…」と不安になるかもしれません。
でも実際は、日常の小さな詰まりや使い方のクセが原因であるケースが多いです。
今回ご紹介した7つのポイントは、誰でも確認できる内容ばかりです。
ちょっとした掃除や確認だけで排水がスムーズになり、エラーが出なくなることもあります。
もちろん、食洗機も機械である以上、使用頻度や水質、部品の経年劣化によってトラブルが起きることもあります。
それでも、定期的なメンテナンスを行うことで、長く快適に使い続けられる可能性は高まります。
慌てて修理に出す前に、まずは自分でできるチェックをひとつずつ丁寧に試してみてください。
それが、食洗機をより長く、より快適に使いこなす第一歩になるはずです。

