「源氏パイ」は名前を聞くだけで、すぐにその商品が頭に浮かぶかもしれませんが、名前の由来についてはなんとなくのイメージを抱いている程度で、ちゃんとした経緯をあまり知られていないのではないでしょうか?
そこで今回は、源氏パイの名前の由来を調べてみました。源氏パイという名前から平安時代の源氏一族をイメージする方も多いかもしれませんが、実際のところどのような理由があるのかご紹介します^^
源氏パイの名前の由来は?
源氏という言葉を耳にすると、平安時代に活躍した歴史上の武士、源義経を連想するかもしれません。しかし、このお菓子が直接的に源義経を意味してはいませんでした。
源氏パイネーミングやあの形が、どんな背景から決まったのか、また、似たようなお菓子であるうなぎパイとどのような関係があるのかについて紹介します。
源氏パイの名前は大河ドラマ「源義経」から取られた
源氏パイという名前は、大河ドラマ「源義経」にちなんで名付けられました。
1965年に三立製菓から発売された当時、日本ではパイはまだ認知度がそこまでなかったため、日本の人々にも親しみやすく、記憶に残る名前を考えていたところ、大河ドラマの影響を受けました。
当時、大河ドラマは非常に人気があり、「太閤記」は高視聴率を記録していました。翌年に放送される予定の「源義経」が成功することを願って、その名前を採用し「源氏パイ」とネーミングされたのが理由です。
源氏パイのインスピレーションとなったスイーツはフランスが起源
源氏パイは、フランスで生まれたパルミエパイというお菓子がベースになっています。
パルミエパイは、何層にも重なったパイ生地を円形にカットして焼き上げる、フランスの伝統的なお菓子です。
三立製菓の開発者がフランス訪問中にパルミエパイに魅了され、それをもっと手軽な価格で多くの人に楽しんでもらうために、源氏パイを開発しました。
初期の段階では、理想的なハート形を作るのが難しく、形作りには苦労したそうですが、カット方法や焼き方を改善することによって、最終的に美しいハート形のパイを完成させたそうです。
源氏パイのハート形のデザインはうなぎパイからの影響
源氏パイがハート形になったのは、春華堂のうなぎパイの影響を受けたからと言われています。
うなぎパイは、家族や友人とのひとときを楽しむことを意図して作られましたが、時間が経つにつれてそのイメージは大人向けのものへと変わっていきました。
このような背景から、もっと親しみやすく、愛されるデザインとしてハート形を選ぶことになりました。これらの経緯を経て、源氏パイは子供から高齢者まで、多くの人々に愛されるお菓子に成長しました。
源氏パイと似ている平家パイの誕生
三立製菓によって生み出された源氏パイには、兄弟品として平家パイが存在します。平家パイの誕生も、大河ドラマが関係していました。
平家パイの名称も源氏パイと同じく大河ドラマが関係
平家パイの名前についても、源氏パイと同じく、大河ドラマに由来するエピソードがあります。
最初はレーズンパイとして市場に出されていたこの商品は、後に大河ドラマのような人気を博すことを願って、2012年に予定されていた「平清盛」というドラマの名を冠して平家パイと改名されました。
今ではどの商品も知名度があるので、このときの改名は大成功だったと言えますね^^
源氏パイと平家パイの見た目の違い
源氏パイがハート形で親しみやすい外観をしているのに対し、平家パイはその四角い形状が特徴的です。
この形状は、戦場で源氏の矢を受け止める平家の盾を象徴しており、上に散りばめられたレーズンは矢の跡を表現しています。
源氏パイと平家パイの食感の違い
味わいや食感においても、源氏パイと平家パイは一線を画します。
源氏パイは、軽くてサックとした食感が特徴で、控えめな甘さがあります。一方、平家パイはもっと柔らかく、しっとりとした口当たりが魅力です。平家パイを半分に割ると、その違いがよりはっきりとします。
源氏パイがシンプルながらも、味わい深さがある一方で、平家パイには洋酒に漬け込んだレーズンがふんだんに使用されており、より豊かで高級感のある風味が楽しめます。
まとめ
源氏パイは、その軽い食感と奥深い味わいで親しまれている人気お菓子です。
このお菓子が、フランスの上品なパルミエというデザートを原型としているとは、名前からは想像もつかない背景でした。
また、源氏パイとその兄弟品である平家パイを並べて食べることで、お菓子の世界における源平の戦いを味わう楽しみも提供されています^^