町内会や自治会で集金を担当されている方は、本当に大変だと思います。
毎回発行する「町内会費集金のお知らせ」
それでも、「ちゃんと読んでもらえているかな？」「伝えたはずなのに支払いを忘れられてしまう・・・」と感じた経験はありませんか？
特に高齢の住民の方にとっては、小さな文字や長い説明文を読むのは思った以上に大変です。
目が疲れやすく、途中で要点を見失ってしまうこともあります。だからこそ、「内容」だけでなく「見やすさ」そのものが伝わり方を左右します。
この記事では、高齢者にもすぐ理解してもらえる「伝わるお知らせ文」の作り方を紹介します。
難しい専門用語や形式ばった言い回しは不要です。
3つの極意と実用的な例文を押さえれば、文書作成の時間が短くなり、誤解や再確認の手間も減ることでしょう！
【極意1】「いつ、いくら、どうする」を迷子にさせないレイアウト術
高齢になると、文章を上から下まで丁寧に読むよりも、「目に入った部分」から情報を理解する傾向があります。
だからこそ、お知らせ文は「読ませる」より「見てわかる」ことを意識しましょう。
最も重要な情報は、「いつ」「いくら」「どのように支払うか」です。
これらを本文の中に埋め込むと、読み飛ばされる可能性があります。そこで効果的なのが箇条書きです。
たとえば、本文の後半に「記」や「お知らせ事項」として、以下のように配置します。
- 集金日 6月15日（日）午前9時から正午まで
- 集金場所 自治会館玄関前
- 会費 年間1200円
さらに「見やすさ」を高めるには、文字サイズと色の濃さにも注意が必要です。
高齢者が読みやすいのは12〜14ポイント程度の文字サイズで、黒に近い濃いグレー（例：#333333程度）が最も見やすいとされています。
強調部分は太字を使用し、赤字などの強い色を多用しないことがポイントです。
重要な語句を太字で目立たせ、他は落ち着いた色合いに統一すると、読みやすさと上品さの両方を保てます。
また、行間を詰めすぎず、各項目の間に1行の空白を入れることで、全体がすっきりします。読みやすいレイアウトは、読み手への思いやりです。
【極意2】専門用語を排除！高齢者にやさしい言葉で書くための言い換えルール
お知らせ文の目的は、情報を正しく伝えることではなく、「行動してもらうこと」です。
そのためには、形式よりもわかりやすさを優先しましょう。
たとえば、役所や書類でよく見る言葉の中には、日常生活では使わないものが多くあります。次のように言い換えると、ぐっと親しみやすくなります。
・ご査収ください → ご確認ください
・年度末 → 3月末まで
・ご多用中 → お忙しい中
また、命令調の表現を避け、「ご協力をお願いいたします」「お手数をおかけしますが」など、依頼のトーンを意識しましょう。
短い文を積み重ねることで、読みやすさも増します。
一文を短く区切ることは、読み手の理解を助ける最も簡単な工夫です。
長文では内容が頭に入りにくくなります。「一つの文で一つのことだけ」を意識して書きましょう。
【極意3】「不在」でも「安心」できる！連絡先と対応方法の明確化
集金日当日、担当者と住民の間で起こりやすいトラブルが「留守だった場合どうするか？」です。
これを事前に明確に書いておくだけで、双方の不安がなくなります。
担当者の氏名と電話番号を必ず記載し、「不明点があればすぐに聞ける」安心感を与えましょう。可能であれば、メールアドレスやLINEなどの連絡手段も併記すると、若い世帯にも配慮できます。
また、不在時の対応はシンプルに書くことが大切です。
- 後日、担当者が再訪問いたします。
- お手数ですが、自治会館のポストに●●月●●日までにお入れください。
さらに、領収書を渡すタイミングも明記しておくと、信頼感が高まります。
例えば、「領収書は当日その場でお渡しします」「振込の方には後日郵送いたします」といった一文を添えると安心です。
【例文公開】高齢者に「伝わる」町内会費集金のお知らせ文
以下は、上記の極意を踏まえた例文です。
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町内会の皆さまへ
いつも地域活動にご協力いただきありがとうございます。
今年度の町内会費を下記のとおり集めさせていただきます。
【集金内容】
・集金日 6月15日（日）午前9時から正午まで
・場所 自治会館玄関前
・会費 年間1200円
当日ご都合がつかない方は、担当者（または隣組の組長）までお知らせください。
また、不在の場合は、6月20日までに自治会館のポストへお入れください。
ご協力をよろしくお願いいたします。
【お問い合わせ】
町内会担当者 ●●（080-1234-5678）
メール info@town.jp
町内会役員一同
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文字は見やすい12〜14ポイント程度を目安にし、本文は黒、強調箇所は太字で表現すると読みやすくなります。
赤文字や下線は控えめに使うと、落ち着いた印象を保てます。
例文をアレンジ！集金方法別（訪問・振込）の具体的な記載例
お知らせ文は、集金方法によって少し書き方を変えるとさらに親切です。
訪問集金の場合は、「午前中にお伺いします」「10時〜12時の間に回ります」といった時間の目安を入れると、住民が自宅で待機しやすくなります。
銀行振込の場合は、「振込手数料は各自でご負担ください」「振込名義は世帯主のお名前でお願いします」といった具体的な指示を添えましょう。
たとえば次のように書くと、誤解がありません。
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【振込による納入をご希望の方】
下記の口座へ、6月30日までにお振込みください。
振込手数料は恐れ入りますがご負担をお願いいたします。
振込名義は世帯主名でお願いいたします。
銀行名 〇〇銀行
支店名 △△支店
口座番号 普通 1234567
口座名義 町内会会計 タナカハナコ
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このように、振込先の具体情報を明示すると、迷わず手続きを進めてもらえます。
最高の協力関係を生む「伝わる」お知らせ文の力
お知らせ文は単なる連絡ではなく、地域の信頼をつくる大切なコミュニケーションです。
本記事で紹介した3つの極意を振り返ると、次の通りです。
1. レイアウトと文字デザインを整えて、必要な情報を見てすぐ理解できるようにする。
2. 専門用語を避け、やさしく自然な言葉で書く。
3. 不在時の対応や連絡先を明記して、安心感を与える。
さらに、文字サイズ・色・太字の工夫や複数の連絡手段の提示が加われば、どの世代にも伝わりやすくなります。
少しの配慮が、集金のスムーズさや町内会全体の信頼を大きく変えるのです。
この内容を参考に、ぜひ次の集金から実践してみてください。伝わるお知らせ文が、地域のつながりをもっと温かいものにしてくれるでしょう。
