
煮物や味噌汁に入れるとほっくりして美味しい里芋。なのに、いざ食べてみると「なんだか土っぽいにおいがする…」と感じて、がっかりした経験はありませんか?
せっかくの旬の味覚も、この独特のにおいが苦手で避けてしまう人は少なくありません。
実はこの「土くささ」は、ちょっとした下ごしらえで簡単に消すことができます。
難しい手順や特別な道具はいりません。この記事では、里芋のにおいの原因をわかりやすく解説し、誰でもすぐにできる5つの下ごしらえ法を紹介します。
あなたも「もう里芋のにおいなんて気にならない」と感じられるはずです。
「土くさい」のはなぜ?里芋のにおいの正体と原因
里芋のにおいの正体は、単に「土がついているから」だけではありません。
実は、里芋の皮やぬめりに含まれる「アク」と呼ばれる天然の成分が原因の一つです。このアクにはカルシウムや鉄分などのミネラルが多く含まれており、加熱することで独特のにおいを放つことがあります。
さらに、収穫したあとに乾燥したり、時間が経つと里芋の表面に微生物が増え、これが土のようなにおいを強めることもあります。
特に、皮の近くにアクが多く含まれているため、皮ごと調理するとにおいを感じやすくなります。
つまり、土くささの正体は「土+ぬめり+時間経過」の組み合わせ。原因を知ることで、対策も見えてきます。
まず試すべき第一歩:正しい里芋の選び方と保存方法

実は、においを抑える最初のステップは「選び方」です。
新鮮な里芋を選ぶことが、下ごしらえ以前に大切なポイントです。良い里芋は、持ったときにずっしりと重く、皮がしっとりしていてハリがあります。表面にシワがあったり、カビがついているものは避けましょう。
スーパーでは「土付き」と「洗い里芋」の2種類があります。土付きのものは手間がかかりますが、鮮度が保たれやすく風味も良いです。一方で洗い里芋はすぐ使えますが、傷みが早いため、早めに使い切ることをおすすめします。
保存方法は冷蔵庫ではなく、新聞紙に包んで風通しの良い場所で常温保存するのが最適です。冷蔵庫の湿気や低温は里芋を傷め、においを強めてしまうことがあります。
【実践】土臭さを簡単に消す下ごしらえ法5選を一挙公開!
ここからは、誰でも家庭で簡単に試せる「におい消しテクニック」を5つ紹介します。すべて特別な材料は必要なく、キッチンにあるものでできます。
方法1:塩もみ
洗った里芋に塩をふり、手で軽くもみます。塩の粒がぬめりを削り落とし、アクを引き出してくれます。
その後、流水でしっかり洗い流せば、手触りがさっぱりします。ぬめりが取れるとにおいも驚くほど減ります。
方法2:米のとぎ汁でゆでる
米のとぎ汁には、ぬめり成分を吸着する働きがあります。里芋を皮付きのまま入れ、5分ほどゆでてから洗うと、アクとにおいがやわらぎます。自然素材を活かした昔ながらの知恵です。
方法3:酢水に浸す
ボウルに水を張り、酢を少量加えて里芋を10分ほど浸します。
酢の酸には、アクのえぐみを和らげる作用があり、ぬめりを抑える効果もあります。これにより、加熱後の土くささを軽減し、全体の風味がまろやかになります。
ただし、長時間浸しすぎると酸味が里芋に移り、素材本来の風味が損なわれることがあります。10分程度を目安に軽く行うのが最も効果的です。
方法4:熱湯で予ゆで
一度熱湯で2〜3分ゆでてから調理すると、表面のぬめりとにおい成分が流れ出ます。
この「ゆでこぼし」をするだけで、全体の味がすっきりします。煮物を作る前にぜひ試してみてください。
方法5:皮を厚めにむく
においのもとは皮の近くに多く含まれているため、いつもより少し厚めに皮をむくと効果的です。皮を薄くむきすぎると、アクが残りやすくなります。
厚めにむいた分、味もしみ込みやすくなります。
下ごしらえの黄金ルール!ぬめり取りとアク抜きの重要性
里芋のぬめりは調理中に厄介ですが、実はこのぬめりこそがにおいのもとでもあります。塩もみや下ゆででぬめりをしっかり取ることが、臭みを消すための第一歩です。
また、「アク抜き」は単にえぐみを取るだけでなく、土くささを軽減する大事な工程です。
沸騰したお湯で軽くゆでてから調理するだけで、風味がまったく変わります。水をこまめに替えながらぬめりがなくなるまで丁寧に洗うことが、上手に仕上げるコツです。
これで完璧!下ごしらえ後の里芋を美味しく調理するコツ

下ごしらえを終えたら、水気をしっかり切ることが大切です。
余分な水分が残っていると味がぼやけてしまいます。調理前にキッチンペーパーで軽くふき取ると、味がよく染み込みます。
さらに、生姜やねぎ、酒を加えると香りが立ち、においがほとんど気にならなくなります。ごま油や味噌も相性抜群で、和の香ばしさが里芋の甘みを引き立てます。
火加減にも注意し、強火で煮崩さないようにすることで、見た目もきれいに仕上がります。
知っておきたい!土臭さがほとんど気にならない里芋レシピ3選
- 出汁香る里芋の煮物
シンプルな調味料でも、下ごしらえをきちんとすれば驚くほど美味しく仕上がります。出汁と醤油の香りで、里芋本来の甘みが引き立ちます。
- 味噌田楽風里芋
味噌のコクが加わることで、土くささを完全に感じさせません。お酒のつまみにもぴったりです。
- 里芋チップス
薄切りにしてカリッと揚げるだけで、香ばしいおやつや副菜になります。油で揚げることでにおい成分が飛び、食感も楽しくなります。
どのレシピも、下ごしらえをきちんと行うことが美味しさの鍵です。
土臭さの悩みを解消して、里芋料理を楽しもう!
里芋の土くささは、原因を知って正しい手順を踏めば、誰でも簡単に解消できます。
塩もみや米のとぎ汁、酢水などの下ごしらえ法を活用することで、においのない、ほくほくでねっとりした里芋に仕上がります。
もう「土っぽいから」と避ける必要はありません。今日から紹介した方法を取り入れて、家族が「これ美味しい!」と笑顔になる里芋料理を作ってみてください。
あなたの食卓が、少しだけ豊かに、温かくなるはずです。
